イケメンSPに守られることになったんですが。
「上下違う色だし……お前本当に男いねえんだな」
「……いやあああっ!!」
しょうがないじゃん!!セットだったものを、下着泥棒が下だけ持っていったんだもん!!
新しいセット買うのもばかばかしくて、パンツだけ安いの買ったらこうなったんだもん!!
私は服をひっつかみ、脱衣所へダッシュした。
このアパートは築30年でぼろくて汚いけど、お風呂が別で本当に良かった。
がくがく震える体で何とか着替えて戻ると、まだブラック高浜がいた。
目つきでわかる。トラみたいな肉食獣の目だ。
相変わらず、口の端だけが人をばかにしたように笑ってる。
「……安心した」
「は?」
「いや、亮司も俺も、女のマルタイだと多少緊張するんだけどな。
色々気を使うし、タイプだからと言ってうっかり手出したら懲戒免職だし?
でもお前相手なら、心配ねえな。
ミクロぐらいの大きさの探検隊がいて、初めて発見できるぐらいの丘しかねえもんな。
ブラじゃなくて絆創膏でいいぐらいじゃねえか」
「な、な、な……っ!」
あまりにも失礼じゃないか!!
頭に血が昇って、顔が真っ赤になっていくのがわかる。
渾身の力を込めてにらむけど、ブラックは全く気にせずにくくく、と笑った。