イケメンSPに守られることになったんですが。
ごり。
息が止まるかと思った。
硬くて冷たい何かが、自分の腹部に当てられたのだ。
もし冷たくなくて温かかったりしたら、相手はただの変態確定だけど。
明らかに金属の硬さを持ったそれが何であるか、予想もつかなかった。
ただ、冷や汗だけが流れた。
「黙って、ついてこい」
男の押し殺した声が耳元でした。
全く状況がわからない。
が、ここで下手に何かしない方がいいだろう。
直感的にそう思うと、震えながらも小さくうなずいた。
男は「良し」と言って、体を一旦離し、まるでラブラブカップルのように、腰に手を回して歩き出す。
腰に回された手が自分のコートのポケットに入る。
それを見てしまった私は、今度こそ息が止まるんじゃないかと思った。
銃……っ!?
男の手の中に握られていたのは、鈍く光る黒い金属だった。
「無駄な抵抗をしたら撃つぞ」と言わんばかりに、コートの中の拳銃は私の痩せて出ている骨盤のはじっこをぐり、と刺激する。