イケメンSPに守られることになったんですが。


「そう、ですか。
了解しました」



私の不安そうな様子に気づいたのか、高浜さんは咳払いをして、声をいつものトーンに戻した。


そして、スマホをスーツに戻しながら、私に言った。



「昨日捕まえた容疑者が、拘置所から脱走したそうです」


「……えっ!!」


「さらに、公安に新しい脅迫文が届いたそうです。

10日以内にサイト上の【六花の翼】全データの消去と、

東京の刑務所内にいる政治犯全員の解放。

この要求を政府が飲まなければ、

あなたを殺害し、都内で無差別テロを決行すると」


「そんな……!!」


「あなたを警察が保護しているのは相手もわかっているはず。

その上でこのような脅迫をしてきています。

相手は何をするかわかりません。

脅かすわけではありませんが、ホテルから出るときは十分注意して……」



そこで、高浜さんの声が止まってしまった。


どうしたんだろう。


黙って次の言葉を待っていると、高浜さんが急に私の肩を抱いた。


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