イケメンSPに守られることになったんですが。
4・自宅警護を命じられたんですが。
高浜さんへの電話は、班長さんからだったらしい。
落ち着くとすぐ、私たちは警視庁へ向かった。
「ああ、中園さん、お疲れ様です。
すみません、異常事態でして」
班長さんの若作りした茶髪が、疲れているのか重力に負けてしおれている。
昨日の今日で急展開。
そりゃあ警察も焦るはずだ。私だって、全然ついていけてない。
「お前の方から説明はしたんだよな?」
「ざっくりですけど」
「それでいい」
班長さんは高浜さんと最小限の会話を交わすと、相変わらず埃っぽいソファに私を座らせる。
「そんなわけで、警護体制もちょっと普通のホテルではどうだろうということになりまして。
今、公安の担当もこちらに向かっているんですが……」
班長さんの言葉の途中で、新城さんがすごく不機嫌そうな顔で、矢作さんに話しかける。
「あのキャリア、何してんだかな。
容疑者逃がしやがって」
「ホントだぜ。俺たちの仕事が台無しだ」
矢作さんもイライラしているようだ。