イケメンSPに守られることになったんですが。
それを聞き逃さなかった篠田さんの目が、きらりと光った。
そしてすっごく楽しそうな顔で、高浜さんに笑いかける。
「ああ、そうだった。
二人で住むはずが、一人になったんだよな?」
二人で住むはずが、一人に……?
それって、どういう意味?
すごく気になるけど、高浜さんや他のSPの気まずい顔を見ると、何も言えなくなる。
「警視、それ以上はモラハラですよー」
やんわりと、班長さんが反論した。
すると篠田さんは高浜さんをいじめて満足したのか、ふんと鼻を鳴らして、私の方を見た。
「そういうわけで、よろしく」
「よろしくって……」
「あなたに拒否権はない。
税金を使って守られるのだから、こちらの指示に従ってください」
「ぐ……っ」
やっぱり性格悪い!!
高浜さんの自宅で警護だなんて、いくらなんでも迷惑だし、曲がりなりにも男女なわけだし!
お断りしたいのに、そうさせない圧力が、篠田さんのオーラからむんむん漂っていた。