イケメンSPに守られることになったんですが。
「まあ……麻耶ちゃんが一人で彼氏もいないってことは、敵も知ってるだろうから、男女二人でカップルっぽくしてた方が、めくらましにはなるかもな」
班長さんが言う。
ちょっと……いつの間に「麻耶ちゃん」に?
しかも彼氏いないことまで知ってるんだ……
くそう、SPたちが私を哀れみの眼差しで見てるぜ。
「そういうことなら……仕方ありませんね」
「高浜さん!」
「あ……やっぱり、嫌ですか?
家にはほとんど帰ってないので、汚れたり散らかったりしてないとは思いますけど」
「そうじゃなくて!」
だからね、私たち男女だってば。
女に見えてないかもしれないけど、私はオカマでも男でもありません。
自宅って、従業員がいるホテルより、二人の密度が高いじゃない。
緊張するのが自然だと思うんだけど。
「大丈夫だって。
何度も言うけど、高浜さんはマルタイに手出したりしないよ!
たった10日の間じゃない」
可愛い顔で笑う大西さん。
わかってるよ、わかってるけど……。