イケメンSPに守られることになったんですが。


「まあ……麻耶ちゃんが一人で彼氏もいないってことは、敵も知ってるだろうから、男女二人でカップルっぽくしてた方が、めくらましにはなるかもな」



班長さんが言う。


ちょっと……いつの間に「麻耶ちゃん」に?


しかも彼氏いないことまで知ってるんだ……


くそう、SPたちが私を哀れみの眼差しで見てるぜ。



「そういうことなら……仕方ありませんね」


「高浜さん!」


「あ……やっぱり、嫌ですか?

家にはほとんど帰ってないので、汚れたり散らかったりしてないとは思いますけど」


「そうじゃなくて!」



だからね、私たち男女だってば。


女に見えてないかもしれないけど、私はオカマでも男でもありません。


自宅って、従業員がいるホテルより、二人の密度が高いじゃない。


緊張するのが自然だと思うんだけど。



「大丈夫だって。

何度も言うけど、高浜さんはマルタイに手出したりしないよ!

たった10日の間じゃない」



可愛い顔で笑う大西さん。


わかってるよ、わかってるけど……。






< 70 / 438 >

この作品をシェア

pagetop