イケメンSPに守られることになったんですが。
「あ……できれば、100均とかに寄っていただけると……」
「100均、ですか?」
「はい……」
だって、シャンプーとかリンスとかタオルとか、ホテルの備品に頼れば良いと思ってたものがなくなっちゃったわけだし。
それに……うっかり履き古した下着とか持ってきちゃってるし。
ホテルならクリーニングに出せばいいやと思ってたけど、自宅だと当然そこで洗濯して干すわけだよね?
どれもこれも高い物を買う余裕はないけど、せめて新しいものを……とか、思うんだけど……
「どうしても必要ですか?」
「どうしてもってわけじゃ、ありませんけど……」
よくよく考えたら、どんな買い物にもSPはついてくるわけで、100均のパンツを買ってるのを見られるのも恥ずかしい……
さあ、どっちが恥ずかしい!?
うーんうーんと悩んでいると……。
「……つけられてるな」
「えっ!?」
高浜さんは目だけ動かして、バックミラーを確認する。
どういうこと、と聞く間もなく信号が青になって。
急発進した車の衝撃で、舌を噛みそうになった。