イケメンSPに守られることになったんですが。
家主を差し置いて、ベッド占領するとかありえないでしょ。
しかし高浜さんは、笑って首を横に振った。
「俺なら、大丈夫です。
頑丈にできてますから」
「でも、」
「大丈夫ですから。
では俺は、風呂を洗ってきます」
ってコラ!お前は家政婦か!SPだろ!
……とツッコみたい衝動を、必死で抑える。
「洗わなくていいです!
シャワーでいいですから!
亮司さんだって、疲れてるでしょ?」
「えっ?」
亮司さんは、びっくりしたように目を丸くした。
なに、私……変な事、言った?
「あの……?」
「い、いえ、ちょっと驚いただけです。
今までマルタイに、下の名前で呼ばれたことはなかったもので」
亮司さんは、照れくさそうに笑った。
その姿は、やっぱり大きいクマのぬいぐるみみたいだった。
「あっ……ごめんなさい。
もう一人もいらっしゃるから、どっちも『高浜さん』じゃ、自分が混乱するというか……」
「なるほど。そういうことなら、好きなように呼んでください」