イケメンSPに守られることになったんですが。
どうしてだろう?
さっきまで、一人にしてほしくなかったのに。
今は、一人になりたい。
亮司さんは眉を下げて、困った顔をした。
「……じゃあ、お言葉に甘えて……」
彼はそう言って、部屋を出て行く。
ドアを閉める瞬間、亮司さんが自分の袖をふんふん嗅いでるのが見えた。
「……におったわけじゃないんですが……」
変な人……。
あの男とは大違いだ。
半年も前に別れた、あの男。
ぼんやりと、その顔が空中に浮かぶ。
亮司さんと違って、だらしない男だった。
それが表情に出てた。
にへらとしまりの無い顔で笑う、タレ目の男。
あいつと会ってから、本当にろくなことが無い。
「……っ……」
苦しかった胸はますます締め付けられ、鼻の奥が痛むような感覚に襲われる。
どうして私だけ、こんな理不尽な目に遭わなきゃいけないの?
そんな不満を聞いてくれる人もいない。