イケメンSPに守られることになったんですが。


「ぎゃっ!!」



何吸ってんのかな、なんて軽い気持ちで黒いパッケージを見た私は、仰天した。


それは、紛れもなく……避妊具が入った箱だったのだ。


そう、ドラッグストアで「スキン」って書いてあるところに売ってるやつ。


一度私はハンドクリームを探していたのに、「スキンケア用品があそこにあるんだ」と勘違いし、その棚の真ん前でびっくりしたことがある。


あれは恥ずかしかった……。


だって『スキン』て、直訳すると『肌』じゃん。


だけどあれって、『肌』じゃなくて完全にゴム製じゃん。


そんなことはさておきー!



「わわわっ!!」



やだやだやだ!!


開封済みのそれを持っているのも恥ずかしくて、慌ててもとの位置に戻そうとする。


しかし手が滑って、箱は私から無情にも逃げていった。


ばらばらばら、と床に散乱する、薄い個包装たち。



「ぎゃー!!」



早く回収しなきゃ!!


私はベッドから降りた。



そのとき……


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