イケメンSPに守られることになったんですが。
「あーくそ」
「うわあ、ごめんなさい!」
そういえば、私が悲鳴をあげたから、リョウさんは裸のまま出てきちゃったんだった。
頭を下げて謝ると、「っとに、くだらないことで大声出すなよ」と低い声が降ってきた。
「もういいから。亮司に代わるからな」
「うわ、あの、あっちで着替えてからにしてください……」
「へえへえ」
リョウさんは片手で拳銃をブラブラさせながら、部屋を出て行く。
私はその背中に釘付けになっていた。
鍛え上げられた背筋や二の腕は、びっくりするくらいたくましい。
しかしそれ以上に、私のバカな頭を冷却するものが、その全身には、あった。
それは今まで、たくさんの誰かを身を挺して守ってきた証。
大小、そして新旧入り乱れた、無数の傷跡だった。