イケメンSPに守られることになったんですが。
5・意識しちゃうんですが。
「ええと……誠にお見苦しいものを披露してしまったようで」
お風呂場から出て、ゲルを塗っただけのすっぴんの私に、亮司さんは「すみません」とまた謝った。
リビングのテーブルには、宅配ピザの箱が開けられている。
冷めるとまずいから、一緒に食べようと言うと、亮司さんは意外にも了解してくれた。
「いえ、男の人の家ですもんね。
慌てた私がいけなかったんです」
「はあ……すみません」
テーブルを挟んで向かい合わせに座った私たちは、それぞれピザをかじった。
宅配ピザなんて贅沢なものを食べたのが久しぶりで、その美味しさが私をさっきのパニックから立ち直らせた。
「でも……本当に大丈夫ですか?」
「えっ?」
「彼女さん、嫌がりませんか?
いくら仕事とはいえ……」
ペアのマグカップに、開封済みの…アレ。
よく見たらベッドも大きかったし、これは彼女がいること確定だろう。
今はどこにいるのかわからないけど、彼女さんは私がここにいることを知っているのだろうか。
そう思ってたずねると、亮司さんは、
「っ、ごほっ、ごほ……っ」
……けっこう盛大に、むせた。