イケメンSPに守られることになったんですが。


私は片手に持っていたコーラを、勢いよく喉に流し込む。



「そんな、若いのにもったいない」


「そういう亮司さんはどうなんですかー」


「俺?うーん、俺は仕事で手いっぱいなんで、今は恋人もいりません。

リョウはたまーに、俺が寝てる間にこの体を使って、うまく遊んでるみたいですけど……」


「…………」


「……余計な事、言っちゃいましたね」



面目ない。


亮司さんはそう言って、気まずそうに笑った。


……リョウさん、うまそうだなー……

一晩だけ楽しんで、後腐れなく別れられる人を見つけるのが。


ぼんやり考えていると、亮司さんが空になったピザの箱を片付けながら言った。



「……本当に、久しぶりでした。
この家で、楽しく食事をするのは」


「え?」


「自宅警護も、悪くないですね」



ダメ押しのように、亮司さんは私に笑いかけた。


垂れた前髪からのぞく目が優しすぎて、私は思わずうつむいてしまう。


……なんだこれ。


今日何回目の、「なんだこれ」だ。





……胸の奥が、ざわざわする。




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