キスの意味を知った日
その言葉に、この人には何でもお見通しなんだなと思う。

同時に、また意地を張って隠し事をしても、この人には通用しないとも。

そうと分かって、再び重たい口を開いた。


「――ポストに手紙が」

「手紙?」

「昨日のあの封筒です」

「なんて書いてあった」

「――…昨日の新しいパジャマ可愛いねって」


私の言葉に一層険しい顔をした櫻井さん。

眉間に皺を寄せて、私を見つめた。


「今回が初めて? ――じゃないよな」

「――」


本当に勘のいい人だ。

そう。

実はこういった事は、これが初めてではない。
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