キスの意味を知った日

話によると、この前合コンで会った人と、いい雰囲気なんだとか。

こんなチャンス二度とないだろうから必ず成約に繋げたいと、まるで仕事みたいな事言い出すから笑ってしまった。

そんな私に目もくれず、どんな人で、どんな仕事をしてて、どんな会話をしてなどを、楽しそうに話していた。


その姿を見て、純粋に楽しそうだなと思う。

それと同時に、幸せそうに話す梨恵を見て気持ちが温かくなった。

大げさかもしれないけど、巣立っていく子供を見る感じ。

少し寂しい気持ちもあるけど、心から嬉しく思った。

うまくいくといいね。と言うと、梨恵は子供みたいに、うん。と大きく頷いた。












「お疲れ様でした~」

「お疲れ~、また明日ね~」


1日目の説明会が終わったその夜、梨恵の音頭で関西支社の人達と一緒に居酒屋で飲もうという事になった。

元々、櫻井さんも関西支社にいたから、周りの人達とはもちろん知り合い。

終始思い出話に花を咲かせて、大いに盛り上がっていた。

私も梨恵と久しぶりにお酒が飲めて、楽しい時間を過ごせた。

そして長い宴会の後、各ホテルへと散っていった。
< 171 / 353 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop