キスの意味を知った日
「瑠香。それは嫉妬よ。恋の嫉妬」

「もう~なんでも恋に持っていくの止めてくれる?」


大雑把ではあるけど、状況を話した結果。

病名『恋の病』だそうだ。


「ふざけないで」

「ふざけてないよ~、その状況に恋以外何があるの?」

「う~ん……生理前、とか?」

「んなわけあるかい。それより、私はその相手の方が気になるけどね」


そう言って、探る様な目で目の前に座る私を見てくる美咲。

その視線にドキッとして、慌てて逃げる様に定食に箸をつけた。


逃げた私を見て、美咲は呆れたように溜息を吐いた。

それでも、ゆっくりと頬杖をついてモグモグと食事を続ける私を見つめた。

そして。
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