キスの意味を知った日


「やっぱ合コンしかないのかなぁ~。でもそれすら、めんどくさい」

「それなら、諦めるしかないね」


そう言うと、またうぅ~と犬の様に唸る美咲。

そんな美咲を横目に、机の上にある枝豆を口の中に放り込んだ。


美咲の言わんとする事は分からなくもない。

26歳になってまで合コンに汗を流したくない。

というより、私は彼氏を作る気さえない。

今は恋より仕事だ。


恋して悩んでる暇があったら、新しい販売先を見つけたい。

そう思っている私はきっと、もはや女として終わっているのかもしれない。
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