キスの意味を知った日

そんな他愛もない事をワイワイ話していると、横の席にスーツ姿の4人組の男が入ってきた。

薄いスダレで仕切ってあるけど、横の席は丸見え。

無意識なのか、美咲が現れた男達を横目でチェックしている。

すると。


「あれ? 美咲じゃん」

「え?――あぁ! 純じゃん」

「何? 飲み会?」


そう言ってチラっと私の顔を見る『純』と呼ばれる彼。

体つきがしっかりしていて、男らしい。

ただ、なんとなくだけど――かるそう。


「そぅ。純も?」

「お~、大学の時の奴らと。それより一緒に飲まねぇ?」

「え?」


彼の誘いに一瞬きらっと美咲の目が光る。

そして、そのまま同意を求める様に大きな瞳が私の方に向いた。
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