俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
「そうだねっ」
あたしが部活に顔を出すのは二週間ぶり。
放課後は劇の練習があって、忙しかったからね。
「あれ?今日は咲夜君と秘密の練習しないの?」
「…っへ?」
"咲夜"という名前に一瞬ドキリとなる。
変な声が出てしまったけど、幸い誰にも気づかれていない。
律は隅で黙々と腕立てをする咲夜を見つめていた。
さすが律、痛いところを突いてくる。
心にグッサリときましたよ。
というか秘密の練習って……
「…一通り終わってセリフも覚えたからさ。もうやらないと思う」
「そうなんだ」
練習風景をとらえた視界の端に映る、咲夜の姿。
反らしても、どうしても見つめてしまう。
ほんとはね、咲夜との練習…断ってしまったんだ…
"仲のいい幼なじみでいれたら良かった"
頭の中で何度もリピートされるあの言葉。