俺様orクール?幼なじみのお姫様♥



「翼にそう言ってもらえて安心した。意地悪だけど、たまには優しいね」


「意地悪は余計」


姫のおでこを軽くこづくと、姫は「痛いよっ」と笑っていた。


でも、無邪気に笑う姫を見て、俺は笑えなかった。



咲夜が姫を嫌いなはずがない。


それだけは自信をもって言える。


けれども"行かせたくない"って思ってしまうのは、俺が姫を好きだから…。




手を伸ばせば届く距離にいる。


行かせたくない…。



いや、



"行かせない"



抑えきれない感情のまま、姫の手をつかんだ。




「翼…?」


「……………」



じっと見つめる瞳が揺れる。


姫を奪ってしまいたい感情が、頭の中を支配してる。



けど、そんなことしたら……



「…………っ」



ちっ……。


わずかな理性が俺の欲望を押しとどめる。



「白雪姫に好きと言っていただけること、何より光栄に思います。一緒に行きましょう、僕のお城へ」


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