俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
悲しそうに木村さんは笑う。
そんな顔をさせてしまったことに心は傷んだ。
「うん、ほんとにごめんね」
それでも譲れない想い……
「ううん。好きな人がいるんなら仕方ないよ。聞いてくれてありがとう。ただ、もう一つだけ聞いていい?」
「ん、何?」
「その、好きな人って有栖さん?私、それだけは聞かなきゃ諦められないよ」
「……………」
真剣に想ってくれていたからこその質問なんだろう。
今にも泣きそうな目で俺の答えを待ってる。
ドクン、ドクンと心臓が脈打つ。
告白されたときも、今の質問のときも、確かに姫の顔が浮かんだ。
ずっとずっと好きでいた。
その気持ちにほんの少しも嘘はない。
…それでもほんの少し前に見た2人の姿が忘れられないんだ。
翼と姫の関係を気づかせたあの瞬間。