俺様orクール?幼なじみのお姫様♥


驚きすぎて、見えたものが信じられなくてあんな風にしか言えなかった。


立ち去ることしかできなかった。


2人が互いに好きなのに、どうしてその邪魔をできようか。


1番近くにいて、誰より2人を見てきた俺が……。



選択肢はもう、一つしかなかった。


2人の幸せを願うこと…




気づけば俺は笑顔を作っていた。



「ちがうよ」



嘘をついたんだ。



「俺の好きな人は、絶対に振り向いてくれることはないよ。


その人にはすごく大切な人がいるから」



「そうなんだ…」と答える木村さんの目を見ることができない。



たとえそれが大切な親友の恋人だとしても。



叶うことはおろか、口に出すことさえ許されなかったとしても…



「それでもずっと好きでいれる。


俺にとってたった1人のお姫様なんだ」



ため息を隠すように笑った。


心の中の何かが大きな音を立てて壊れていく。



今…俺はどんな顔をしているのだろう……?



+





+






< 144 / 393 >

この作品をシェア

pagetop