俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
けれども、辺りを見回してもその言葉を教えてくれた人の姿はない。
咲夜、来てないんだ…
その事実に肩を落とす。
でも文化祭だもん、幼なじみなんかより好きな人と過ごしたいよね。
うつむきながら、仕方ないって言い聞かせる。
でもそんなことばかり言ってられない、今は劇に集中しないと。
舞台袖からステージの向こうがちらりと見える。
すごい人の数。
見ているだけで緊張でどうにかなりそうだけど…。
そんなのダメだ。
今までの練習の成果をちゃんと出さなきゃ!
ドクン、ドクン…
「……姫」
感じた視線、名前を呼ぶ声。
「緊張してるのか?」
柱に手をついて、あたしの視線と同じ方向…
客席を見つめている。
翼……