俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
咲夜があたしの腕をひいて教室を出る。
見上げた横顔はほんの少し赤くなっていた。
もちろんいきなり2人で立ち去ったから、クラスのみんなに大騒ぎされたんだけどね。
「ここなら誰もこないか」
屋上に行く途中の階段で足を止める。
階段の一段、咲夜がポンポンと叩くとなりに座った。
「…なんかごめん。あんなに騒がれちゃって、しかもキスまでして」
「い、いいよっ。咲夜は助けてくれただけだもん」
「初めてって言ってたのに。なんかもう夢中で……」
ため息をついて、髪の毛を押さえて目元を隠している。
そんなに申し訳なさそうにする必要なんてないのに…。
やっぱり好きな人のことがあるから落ちこむよね。
「あたしはうれしかったから、ありがと」
精一杯に笑って答えた。