俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
たった一言のハードルが一気に上がる。
けれどもお礼は言わなくちゃならない。
「いいから言ってみろよ」
ニヤニヤしながらあたしの次の言葉を待ってる。
そういうところがほんとにむかつく…
「…あり…がと」
うつむきながら、おそるおそる答えた。
「こっちみろ」
「……やだ」
背の高い翼のほうを見るってことは、必然的に上目づかいになる。
きっと翼はそれを狙ってる。
思い通りになんかなるもんか。
それに今…
絶対に顔が赤くなってる。
「どうせ真っ赤だとか、変な顔してるとか言うんでしょ!?」
「さぁな」
下を向いていて気づかないままに、伸ばされた手が頬に触れる。
翼の方に顔の向きを変えられた。