俺様orクール?幼なじみのお姫様♥


たった一言のハードルが一気に上がる。


けれどもお礼は言わなくちゃならない。


「いいから言ってみろよ」


ニヤニヤしながらあたしの次の言葉を待ってる。


そういうところがほんとにむかつく…



「…あり…がと」


うつむきながら、おそるおそる答えた。



「こっちみろ」


「……やだ」



背の高い翼のほうを見るってことは、必然的に上目づかいになる。


きっと翼はそれを狙ってる。


思い通りになんかなるもんか。


それに今…

絶対に顔が赤くなってる。



「どうせ真っ赤だとか、変な顔してるとか言うんでしょ!?」


「さぁな」



下を向いていて気づかないままに、伸ばされた手が頬に触れる。


翼の方に顔の向きを変えられた。


< 216 / 393 >

この作品をシェア

pagetop