俺様orクール?幼なじみのお姫様♥


それ以上を言わせない。

そういった空気で翼が言い切った。



「そうなんだ…」


茜さんはポツリと呟いて、驚いたようにあたしを見つめていた。


気まずいような沈黙が流れ始めたとき。



「じゃあ俺は先に部活行くから…」


「ま、待って…っ!」


教室を出ようとした翼の手を茜さんが掴む。



「どうした?」



翼が問いかけると、茜さんは顔を真っ赤にしてうつむいた。



「あの…っ、もし九条君に彼女とか好きな人がいなければLINE教えてもらえないかなって…」



消え入りそうな声で言ったこと。


ますます顔を赤くした彼女は両手で顔を覆った。



好きな人………


翼…

なんて答えるんだろう?


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