俺様orクール?幼なじみのお姫様♥


「あたし達ってさ…」



体育館の半分くらいまできたあたりで、隣に並ぶ律がつぶやく。



「選手の休憩時間が1番忙しいよね」


「たしかに…」



何気ない言葉だけどすごく納得できる。


部活全部を通しても、休憩中しか体育館が空くことはない。


その10分の間に、この広さ全部にモップをかけるというのは大変な作業だ。



「はーあ、クリスマスなのにモップ掛けってなんなのよ」


「まぁまぁ」



少々怒り口調の律をなだめる。



「結局部活でどこにもでかけれないじゃん。せっかく雪まで降ってるのに…」


「雪…?」


「見てみなさいよ、外」



律が体育館で1番大きなドアを指差した。


休憩中の間だけは冬でも解放されている。


その向こうに、グレーの空から白い結晶がふわりと舞い降りる…。


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