俺様orクール?幼なじみのお姫様♥


「とりあえず落ち着け…」


慌てても仕方ないから冷静に振る舞う。


鍵を借りた俺が戻らないのに気づいて、そのうち誰か来るとは思う。


まさか返ってこない鍵を放置はしないだろう…。


だとすれば……


それまでこの寒さをどう乗り切るかだな。


やっかいなことは姫の熱が高いことだけど……。



「おい、これ着てろ」



着ていたジャージの上を姫に渡す。


さすがにTシャツは練習後で汗くさいからダメだろう。


どっちにしろ半袖だとあまり意味なさそうだし。


って……。

不安そうな顔で差し出した手を見つめながらも、姫は受け取ろうとしない。



「何してんだよ。早く着ろ」



無理矢理それを押し付けようとしても姫は頑なに首を振る。



「なんでだよ!おまえ熱あるんだろ!?わかってんのか!?」



感情が高ぶって怒り口調になる俺に、姫が怯えた表情になる。



「だって……」




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