俺様orクール?幼なじみのお姫様♥


「……ぃ…」


「どうした?」


「さむい………」



そりゃそうだよな。


薄着の上に、ジャージ一枚羽織ったって気休めにもなりやしねぇ。


それでもこんな物置に暖をとれるものなんてどこにもない。


考えついたことは一つだけだった。


抱き上げた姫の体を自分の胸元に収めるように抱きしめる。


両手でぎゅっとして、とにかく体が触れ合う部分を大きくする。


これで、少しは温かくなるはず。



親友の彼女という立場の、愛しい人……



緊急事態なんだ。


今だけはこうすることを許してほしい。



「……さく…や」



意識も消えかけた中、姫が大切な人の名をつぶやく。



< 277 / 393 >

この作品をシェア

pagetop