俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
「……ぃ…」
「どうした?」
「さむい………」
そりゃそうだよな。
薄着の上に、ジャージ一枚羽織ったって気休めにもなりやしねぇ。
それでもこんな物置に暖をとれるものなんてどこにもない。
考えついたことは一つだけだった。
抱き上げた姫の体を自分の胸元に収めるように抱きしめる。
両手でぎゅっとして、とにかく体が触れ合う部分を大きくする。
これで、少しは温かくなるはず。
親友の彼女という立場の、愛しい人……
緊急事態なんだ。
今だけはこうすることを許してほしい。
「……さく…や」
意識も消えかけた中、姫が大切な人の名をつぶやく。