俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
物置だ…。
昨日ドアが開かなくて出られなかったことを思い出す。
寒く怖かったはずなのに、
今は温かくて安心している。
心が満たされるような
…幸せな気持ち。
顔を上げると、あたしを抱きしめたまま眠っている。
「翼……」
夢の中で何度も呼んだ名前をつぶやいた。
穏やかな寝顔。
伸ばした手が漆黒の髪に触れる。
「ん…」
一瞬瞼を歪ませると、その瞳が開く。
「おはよう、翼」
「おはよ…」
微笑した翼の表情はすごく優しいものだった。
差し込む朝日が輝かせた黒い瞳。