俺様orクール?幼なじみのお姫様♥


ドアを開く音が、鮮明に聞こえた。



「姫っ……!!!」



息をきらして飛びこんでくる。



「咲夜…っ!!!」



隣で見えた姫の瞳から、涙がこぼれ落ちた。



やっと来たか。


遅えよ王子様……



急いで姫にかけ寄ってくる咲夜は、部活後みたいに汗だくで、息をきらしていた。


その様子だと一晩中探してたんだろう。


真っ暗な状態じゃ、おそらくこの場所は見つけれない。


クールで冷静な咲夜がこんなにも必死になっている。



それだけ咲夜(こいつ)も


姫が好きってことだよな。




「何してたの?」


「実は用具室と物置間違っちゃって、鍵かけられて出られなくなっちゃったの」


「…姫はやっぱりバカだね」


「うぅ…っ!」



姫の顔がひきつる。


健在の毒舌。

ぼーっとしてるようで読めないこと言うよな。


< 284 / 393 >

この作品をシェア

pagetop