俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
ドアを開く音が、鮮明に聞こえた。
「姫っ……!!!」
息をきらして飛びこんでくる。
「咲夜…っ!!!」
隣で見えた姫の瞳から、涙がこぼれ落ちた。
やっと来たか。
遅えよ王子様……
急いで姫にかけ寄ってくる咲夜は、部活後みたいに汗だくで、息をきらしていた。
その様子だと一晩中探してたんだろう。
真っ暗な状態じゃ、おそらくこの場所は見つけれない。
クールで冷静な咲夜がこんなにも必死になっている。
それだけ咲夜(こいつ)も
姫が好きってことだよな。
「何してたの?」
「実は用具室と物置間違っちゃって、鍵かけられて出られなくなっちゃったの」
「…姫はやっぱりバカだね」
「うぅ…っ!」
姫の顔がひきつる。
健在の毒舌。
ぼーっとしてるようで読めないこと言うよな。