俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
「ほんと…」
咲夜がぎゅっと姫を抱きしめる。
「心配したんだからな」
「ごめんなさいっ…」
「姫が無事ならいいよ」
姫は咲夜の腕の中で泣きじゃくっている。
頭を撫でながら、咲夜は柔らかく微笑んだ。
恋人同士の世界。
結局こうなるのがわかりきってる。
つまんねえ役回りだぜ…。
「翼」
「あ?」
不意に咲夜から名前を呼ばれる。
今度はなんだよ…
「ありがとう」
「……別に」
よくそんな恥ずかしいこと言えるな。
そういうところが大嫌いなんだよ。
でももう慣れてる。
咲夜は"幼なじみ"で"親友"だから……。
近いようで、遠くて、でも放っておけない。
相手が咲夜じゃなかったら、今すぐにでも姫のこと奪い去ってやるのに。
ほんと"幼なじみ"ってめんどくせぇ………