俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
それでも…。
「はぁ…っは」
体はだるくて、息が上がっている。
早く熱が下がれと願いながら、目を閉じた。
別にいつものことだろ。
うれしいことがあっても
悲しいことがあっても
病気のときでさえも
いつだってこの家には俺1人だったんだから……。
寂しくなんてねえよ。
それなのに。
ちらっと台所のドアの方向に目を向ける。
聞こえる音が心地いいんだ。
俺だけじゃないって、
そう、思えるから………
いつの間にか意識は途切れ途切れになってて。
「翼…っ」
気づいたときには、姫が覗きこんでいた。
「大丈夫っ?まだ熱高いね」
姫がおでこに手を当ててくる。
手のひらから冷んやりとした温度が伝わってきて心地よい。