俺様orクール?幼なじみのお姫様♥



眠ってる翼にそっと手を伸ばして、髪を撫でる。


自分を犠牲にしてまで守ってくれたあなたに、あたしは何もしてあげられない。


こんなに近くにいるのに………



「……ひめ…っ」



うわ言のように、翼が口にした言葉。


あたしを守るためだけに堪えてたんだ。


いつだって翼は想ってくれていたのに。


あたしは……



「……ぐすっ……うぅ」



本当に守りたいものさえ、


守れてないじゃないか………



「…ひめ」



何度も何度も呼ばれた名前。


うなされている翼の手をぎゅっと握った。



「あたしはここだよ…っ。

翼の1番近くにいるよ……っ」



3人が幸せになれる答えは、


どこにも見つからない………


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