俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
「赤くなんなよ…バカ……」
なに俺にまで照れてるんだよ。
不意打ちに弱いのは俺も同じだな。
「じゃ、じゃあ、あたし行くねっ」
顔を隠すように姫は方向転換した。
けれども走り出す前に足が止まる。
「翼…」
「あ?」
「…やっぱり一つお願いごとしてもいい」
背を向けてうつむいている。
「なんだよ」
「…おまじない、してほしいなって」
「おまじない?」
「文化祭にしてくれたやつ」
記憶を遡っていく、劇の直前の舞台袖。
大丈夫って言われても
やっぱり"好き"という言葉を伝えるには勇気がいる。