俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
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翼side
今…、姫のヤツ…。
あからさまに目反らしやがって。
明らかに動揺した態度で、必死にこっちを見ないようにしている。
わかりやすいんだよ。
それでも、俺の方から声をかけるわけにはいかない。
加藤が姫の手を握ったあのシーンが、頭の中で繰り返されている。
…何が友達だ。
加藤がなんで姫に近づいてるかなんて、普通わかるだろ?
気づかないなんて、姫はバカだ。
ダンッ…
ダダン!!
ドリブルが苛立ちで強くなる。
そのまま、俺は一目散にゴールに突っ走って、シュートを入れる。
ネットをボールがくぐる音と、ダンッ…とボールが地に着く音が時間差で聞こえた。
「さっすが翼!」
わざとらしい声と営業スマイル。
片手を上げて近づいてくる…
「加藤…」
今1番会いたくないヤツだ。