俺様orクール?幼なじみのお姫様♥
ふわっと包み込むように、何かに抱きしめられた。
あ…れ?
嫌だったはずのその状況を、素直に受け入れている自分がいる。
ドキンッーと高鳴る胸の痛みがなぜか心地よくて。
だって……。
この人は、加藤君じゃない。
あたしはこの腕も、匂いも知っているもの…。
「……咲夜っ」
名前を呼ぶと、クスリと微笑む吐息が聞こえる。
「守るって約束したでしょ?」
大好きな笑顔がそこにはあった。
何もないって言ったのに。
何かあったって言ったわけじゃないのに…。
それでも助けに来てくれたんだ……。
恐怖の涙が安心感への涙と変わり、次から次へと溢れ出る。
「あり…がと…」
とっさに掴んでしまった服の裾をやっとのことで離す…
「ダメ」
ことを許されることもなく、もっと強い力で抱きしめられた。
「…だって姫、まだ震えてる」