地方見聞録~人魚伝説譚~
あの話では青年の亡き後、一度だけ村に訪れた後人魚は姿を消した。その後人魚はその地域に姿を見せなくなった。
エノヒはそれを「呪いかもしれん」と言った。
聞こえこそ悪いが、深い悲しみが覆いつくしているのではないか。青年が眠る村を、静かに守っているのではないかと。
それが「宝玉?」
「真実はわからぬが。だが私は、いつか彼らが戻り、再び共に生きていく日が来ることを信じている」
微笑んだエノヒに、私も深く頷いた。
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