地方見聞録~人魚伝説譚~







 遠巻きにこちらを見る子供たちの中を進み、エノヒ様、と声をかけた。

 返事があり部屋に入る。先客がいた。セインの父ウルドだ。私を見て「どうした?」と声をあげる。そしてすぐそばにたつ男を見遣る。



 話の途中だったかと出直そうとしたが、エノヒとウルドがそれを止めた。





「その者は?」

「実は―――――」






 私が出来るかぎり話した後。ヨウは己のことを話した。






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