地方見聞録~人魚伝説譚~
ヨウには人魚ということを隠し、しばらく村にいてもらうこととなった。
彼の正体を知っているのは私と、エノヒ、ウルド。それとエノヒがリンを呼び、リンにも伝えることとした。
同年代の、しかも一番の友であるリンも知っているのなら、私てしては心強い。思わず顔を見合わせ、互いに頷いた。
ヨウには海辺の小屋ではなく、私の自宅を貸し、私自身はしばらくエノヒの元で過ごすこととなった。
ヨウこそ「何処でも構わぬが」と言ったが、そんなこと出来るはずがない。
こうしてヨウは"あの難破船で生き残った"人物として、しばらく村に滞在することとなった――――――。
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