地方見聞録~人魚伝説譚~
まとわりついていた子供たちがオルハのもとへ姿を消してすぐ、いつもとやや違ってみえるリンとセインを見た。
リンもセインも、最近雰囲気が変わったように見えた。それを前にレトに話したら「鋭いね」と頷く。
そう話して、今日――――。
「ようやくくっついたのね」
「うるせぇよお前は」
「リンも照れちゃって」
エノヒが正式にリンとセインの仲を認めた。
婚約者という感じか。
ヒトも我ら人魚もかわらない。だが、こうヒトのすぐそばで共に過ごすのは初めてかも知れない。