わたくし、政略結婚いたします!?
ああ、そうか。
ちゃんと見送れないなら。
……一緒に、いけばいいんだ。
私は、ふらつく足で立ち上がると、机の引き出しから小ぶりのナイフを取り出した。
ゆっくり、ベッドに横たわる母の元に進む。
床にぺたりと座って、安らかな母の顔を見ながら、スッとナイフを手首にあてた。
……人って、これで死ねるのかなぁ?
わかんないや。
分かんないけど…、きっと、思い切りやれば大丈夫よね。
「お母さん…。私も、そっちに行くからね…」
何故だろう。
ふわり、と自分でも不思議なくらい自然に微笑みが溢れた。