わたくし、政略結婚いたします!?
「……エディ、こいつか?」
不機嫌そうな声に、男の後ろから現れたもう一人の黒髪の男が頷いた。
「そのようですね」
「離して!!痛い!!」
「あ?」
「レナルド、その手ですよ。また手加減していないんでしょう」
「あー。悪ぃ」
男は、ようやく手を離してくれた。
「……あんたたち、誰?いきなり人の家に入ってくるなんて、常識はずれもいいとこね」
私は未だ痛む手首をもう片方の手でかばうようにしながら、キッとふたりの不法侵入者を睨みつけた。
しかし、そんなことは意に介さないように、男は私を見下ろした。