わたくし、政略結婚いたします!?


「もしかしたら本当にこの数日の間にレナルドがチョコ嫌いを克服したっていう奇跡があったのかもしれないし!」

「ええ!」


「とにかく、私レナルドに訊いてくる!」


宣言して、すたすたと歩き出した私を、慌ててメグが引き止める。


「き、訊くって何をですか!?」


「え?もちろん、レナルドってチョコレート嫌いなの?って」


それしかないだろう、と思いながら言うと、メグは一瞬面食らったような顔をしたけれど、なぜかすぐに笑いだしてしまった。


「……ちょっと」


「アリア様のそういうまっすぐなところ、私大好きです」


笑いをなんとか引っ込めて、メグはそう言った。


「え?ありがとう」


どうして笑われたのかよく分からないけれど……。


「これから夫婦になられるんですもの。なんでも相談するのはいいことです!私もついていきましょうか?」


「いいわ。大丈夫」


私が言うと、メグは「そうですか」と頷いて、私を引き止めるために掴んでいた腕を離してくれた。

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