わたくし、政略結婚いたします!?
メグにニコニコと見送られて、私は再びレナルドの部屋へと向かった。
ノックをして部屋の中に入ると、レナルドが驚いたように私を見た。
テーブルの上にはまだ片付けられていないティーセットが2人分。
「……誰か来てたの?」
「ああ。ウィルがたった今帰ったところだ」
私は、椅子に座るレナルドに近づいた。
「ねぇ。クッキー、無理して食べたの?」
「……どういう意味だ」
レナルドは眉を顰めて私を見る。
「メグから、チョコレートが苦手だって聞いたから……」
「……別に、無理してない」
ふい、と視線を逸らしてレナルドはそう言った。