わたくし、政略結婚いたします!?
「お前、アリア・ローズだな?」
「……そうだけど」
「俺はレナルド・ハーリトン。お前、俺と結婚しろ」
男は、そう言って再び私の手を掴んだ。
学んだのか、今度は、痛くない程度に。
「……は?」
け、っこん?
「レナルド、面倒くさいからって説明を省きすぎないでください。彼女も戸惑っています」
黒髪の男がそう言ったが、男はその忠告を聞くつもりはないようだった。
どうやら、私の手を掴んで離さない金髪がレナルド、そして敬語な黒髪がエディ、というらしい。
「こいつに選択権なんかないんだから、説明する必要もない」
「レナルド、それはさすがに筋が通っていません」
うっせーなほっとけ、と眉をひそめる金髪男。