わたくし、政略結婚いたします!?
ノックも無しに入ってくるなんて、相変わらず無遠慮。
だけど、初めは嫌悪しかなかったのに、今は。
泣きたいほどに、好きだった。
────だから。
「レナルド」
ドカッとソファに腰かけた彼に近づく。
「訊きたいことがあるの」
たとえ傷付いたとしても。
やっぱり、いつまでも無知なままじゃ。
幼いままじゃ、ダメだ。
「……あなたのお父さんが私の父の親友だったって、本当?」
どうか、違うと言って。
そんな儚い願いを込めた声は、自分でも分かるくらいに、か細くて。
レナルドは、そんな私を驚いたような目で見ていた。