わたくし、政略結婚いたします!?
「……だれから聞いた?」
しばしの沈黙の後、レナルドの口から出た言葉に、私はキュッと唇を結んだ。
その一言だけで。
真実だと、充分すぎるくらいに分かったから。
「……ウィルからよ」
呟くように言うと、レナルドは小さく息を吐いて「そうか」とうなずいた。
「……本当なのね。……あなたのお父さんが、私の父を死に追いやったって」
縋るような声は、涙が滲んでいた。
レナルドは、一度私の顔を見て、すぐに視線を逸らす。
「……ああ」
低い声で肯定したレナルドに、じわっと瞳に涙が溢れた。