わたくし、政略結婚いたします!?
「俺の父は、お前の父親に多額の借金をしていた。父の会社の経営が上向いてきても、ずっとお前の父親に、金がないからと縋りついて。
そんなことが何年も続いて、さすがのお前の父親も金を貸すことを渋りはじめたと感じた父は。
……あっさり、切り捨てた」
淡々とレナルドは語った。
そんな彼の言葉を黙って聞いていることしかできない。
「借りた金を返すこともせず。俺の父は家族を連れて外国に逃げた。
直接貸していた金だけじゃない。他の借金の保証人になっていたお前の父親は、ほぼ全財産を俺の父親の借金返済に費やしたと聞いた」
……そうだ。
あの頃は。
父が亡くなる、少し前は。
怖い人たちがたくさん、家に来て。
お母さんが泣いていた。
お父さんが、哀しそうな顔をしていた。