わたくし、政略結婚いたします!?
「……どうして私を選んだのよ」
思わず、そんな言葉がこぼれ落ちた。
レナルドが眉をしかめる。
「……どういう意味だ」
「爵位を持て余している没落貴族なら他にもいたでしょう。……私は、こんなことを知るくらいなら、貧しいままの方がよかった」
もう、好きになってしまった。
……好きになってはいけない人だったのに。
「……私はあなたにもう出会いたくなんてなかった」
「……俺だって好きでお前を選んだわけじゃない。色々事情ってもんがあったんだよ」
事情。
なによ、それ。
……そんなもののために、私はこんなつらい思いをしなくちゃいけないわけ?